
入退院を繰り返しつつ病状が進行する慢性心不全は、これまで重症度や症状によって治療方針が決められるケース がほとんどでした。
しかし現在、専門医の間では「症状が認められない段階から経時的に進行する、より広い概念の病態」という、ステージごとの病態把握と治 療指針が浸透しつつあります。今回は心不全診療の新しい流れを追いかけます。
▼心不全の看護について、まとめて読むならコチラ
心不全の看護|原因、種類、診断、治療
心不全という病態のギャップ
いま、心不全の疾病管理は看護の大きなテーマになりつつあります。言うまでもなく心不全は、心筋梗塞、心筋症、不整脈、弁膜症などの心臓疾患や、高血圧をはじめとした生活習慣病などのさまざまな基礎疾患、加齢などが原因となり、心機能、特に左心室のポンプ機能が低下した状態をいいます。代表的な症状としては、肺うっ血や全身の浮腫、低心拍出による倦怠感などがみられます。
ところが、医療者の一部や一般の人には、心不全という病態がやや異なるイメージでとらえられているようです。あらゆる原因によって心臓が弱った揚げ句に、その最後の最後になって突然現れる最終段階の状態、あるいは患者さんが死亡する直前の疾患という感覚 が、心不全にはあるのです。かつて、死亡診断書に心不全という病名が安易に記載されていたことも、こうしたイメージを作り上げた一因かもしれません。
自覚症状のない段階から治療は始まる
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