移植医療に変化をもたらした改正臓器移植法
2010年7月に施行された改正臓器移植法は、移植医療にとって大きな契機となりました。これまでは、本人の書面による意思表示があるときのみ認められていた脳死下での臓器提供が、本人の意思が不明であっても家族の承諾があれば可能になったのです。この翌年には、臓器移植希望登録者数は大きく増加しており、その後も増加傾向にあります。臓器移植が治療の一つの選択肢として期待されていることがうかがえます。
さらに、当時大きく報道されたこともあり、臓器移植に対する社会的認知の向上にもつながりました。内閣府が5年ぶりに行った「臓器移植に関する世論調査」(13年)では、臓器移植の意思表示を記入した人が12.6%で、前回調査の3倍(8.4ポイント増)となりました。今回当ネットワークで行った「臓器提供の意思表示に関する意識調査」でも、13.4%を示しており、ほぼ差異のない数字となっています。
移植医療は、人々が普段受けている通常の医療と異なり、いわば非日常的なもの。それが、改正臓器移植法の施行、意思表示方法(臓器提供意思表示カード、運転免許証、健康保険証、インターネットでの意思表示が可能)の拡大、当ネットワーク等による普及・啓発活動などによって、少しずつながら、かけ離れたものから、自分のものとして考えられる土壌が、育まれつつあるのではないかと思います。
しかし、実際の臓器提供件数をみてみると、10年以降は減少傾向を示しています。脳死下での件数は伸びているものの、心停止下での件数が減少。「臓器移植=脳死下」というイメージがクローズアップされたことで、心停止下での臓器提供の意識が薄れてしまったのかもしれません。
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