滴下速度をきちんと計算しても、いつの間にか変わってしまっていたという経験がある人は多いのではないでしょうか。この滴下速度の変化に関する疑問に答えます。
Q. 滴下速度をきちんと計算しても、滴下数が変わってしまうことがあります。滴下速度の変化を防ぐ方法はあるのでしょうか。
A. 厳密なコントロールが必要な場合は輸液ポンプを。それ以外は、変化する原因を念頭に置き、状態をチェックすることが大切です。
「滴下速度は変化する」を前提に状態を確認
一定時間に一定量を滴下しなければならない薬剤、例えば循環器系の薬剤や医療用麻薬など、厳密に滴下速度をコントロールして投与しなければならない薬剤の場合は、基本的に輸液ポンプを使用します。
速度の変化が薬効などに影響しない点滴の場合は、看護師が確認することで、なるべく正確に投与されるよう滴下を調整します。
滴下速度が変化する要因として考えられることは、患者さんの体位や体動、針を留置している腕の位置や高さの変化、腕の屈曲などがあります。
滴下は、点滴ボトルと心臓や刺入部の高低差を利用しているので、高低差が変化することで滴下速度も変わります。例えば、臥床のまま過ごしている患者さんなら、点滴ボトルと心臓の高さにさほど変化が生じないため、滴下速度もあまり変わりません。しかし、ベッドでの座位や椅子に座る、あるいは歩行している患者さんは、滴下速度も変化しやすいといえます。
また刺入部近くの腕や手の屈曲によって血管が圧迫されたりすることで、流量が変化することもあります。
さらに、予定時間よりも早く滴下した場合、薬剤が極端に減少している場合は、クレンメの誤操作、三方活栓からの液漏れ、接続部位の外れなどが、その原因として考えられます。
看護師は「滴下速度は変化する」ということを前提に、点滴中は滴下状態やクレンメの開閉を確認することが大切です。点滴ボトルに注入予定時間を記入しておき、予定量が入っているかを訪室のたびに確認し、調整します。自然滴下の点滴を投与している患者さんが歩行していた場合は、その場で滴下状態を確認するようにしましょう。
次ページでは、ヘパリンロックと生食ロックの違いについて解説します。
Q. ルートを確保する場合、ヘパリンロックと生食ロックはどちらを選ぶべきなのでしょうか。またその違いは何ですか。
A. 当院では、感染リスク等からなるべく再確保を検討し、必要性の高い場合のみヘパリンロックを施行しています。
メリット・デメリットを理解して使い分ける
点滴挿入中に、ルートを確保したまま一時的にラインを途中から外すとき、ライン内に満たす薬液として使用するのが、ヘパリンもしくは生理食塩水です。基本的にヘパリンを使用しますが、ヘパリンロックを施行する際は、抗凝固剤が含まれていることによる患者さんへの影響を考慮し、そのリスクも踏まえたうえで、必要があれば行うようにします。
当院では、基本的には、点滴のルートを途中で外すことで細菌に汚染されるリスクが高まるため、感染対策上ロックをしないようにしています。末梢点滴であれば、一度抜針し再度ルートを確保します。
一方、生理食塩水でロックする場合は、経済的なメリットはありますが、手技的にヘパリンロックよりも難しいという難点があります。ロックするときに陽圧状態をしっかり保ちながら、留置カテーテル先端まで生理食塩水を満たして閉鎖しなければなりません。この手技を習得するためには、かなりの練習が必要です。
また、生食ロックがヘパリンロックよりも有効である、または変わらないというデータは示されていないのが現状です。
入浴時はポリウレタンフィルムで防水
患者さんの入浴時には、カテーテルは抜かずに、刺入部はポリウレタンフィルムなどを貼って防水しているため、患者さんの状態に応じて、シャワー浴か半身浴など可能な方法で清潔ケアを実施しています。その場合、刺入部を覆っているフィルム材が剥がれて、刺入部が汚染されたり、お湯や水が入らないよう注意が必要です。
また、ラインをつたって刺入部に水が入る場合があるので、局所だけでなくラインも水に浸かることがないように注意します。
(「ナース専科マガジン」2010年5月号より転載)
次回は、留置針の固定方法について解説します。
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