
紹介します! 全国都道府県看護協会をぐるっと巡る

解説:内田眞澄さん<鳥取県看護協会 会長>
看護師となって40数年経ちますが、2017年に本会会長職を務めることになり、あらためて看護職の役割を考えるようになりました。今後も県内の看護職がその責務を全うできるよう取り組んでいきたいと思います。
行政との連携を密に公益性のある事業展開を
2013年に公益社団法人となった鳥取県看護協会では、より公益性のある事業展開を進めるために行政との連携を密にしています。本会会員のみならず県内で就労するすべての看護職も見据え、看護の質向上への取り組みに力を入れる一方で、県民の健康や福祉の増進に貢献する事業も進めています。
その一環として、看護ボランティアの協力を得て地域に向けた活動も活発化させています。妊婦さんに対する保健指導、中学校での性教育講座、高齢者の健康意識を高めるイベントなど、胎児から高齢者までさまざまな人に向け、看護の力を役立てようとしています。



河原郵便局で行われた「まちの保健室」。測定を待つ多くの人の姿がみられた
「まちの保健室」事業では地域の郵便局とも協力
「まちの保健室(以下、まち保)」もその取り組みの一つ。2018年には新たに郵便局でのまち保開催をスタートさせました。鳥取県、日本郵便株式会社中国支社、本会で締結した「地域住民の健康づくりの推進に向けた連携に関する協定」によって実現したもので、普段使用頻度の少ない郵便局の事務室等を活用し、年金支給日に実施しています。全国でも初めての取り組みです。中山間地の郵便局や市内のショッピングセンターでも定期的に開催しています。
第1回の鳥取市鹿野郵便局に続き、12月14日に同河原郵便局でまち保を行いました。血圧や体脂肪だけでなく血管年齢や骨密度なども測定し、その結果を受けて健康相談を実施。9〜11時の2時間で47名の地域の皆さんが参加されました。局員の方が手作りのポスターやチラシで事前に周知に努めた甲斐もあり、「この催しに参加するために来ました」という人もいらっしゃいました。まち保開催中、局の窓口ロビーは熱気に包まれ、対応に当たった看護ボランティアたちも参加者の皆さんの関心の高まりを間近にし、手応えを感じているようでした。



米子市わだや小路での「がんカフェ」では、看護ボランティアによるミニコンサート、ハンドマッサージが行われた
増えるがん患者さんに向け「がんカフェ」もスタート
さらに、2018年6月にはがん患者さんのための「がんカフェ(以下、カフェ)」もオープンさせました。会場は県内の東部(八頭郡八頭町:隼Lab.)、西部(米子市:わだや小路)の2カ所で、東部は月2回、西部は月4回の開催です。
12月19日のわだや小路でのカフェでは、二に胡こ(中国の弦楽器)とフルートによるクリスマスミニコンサートを行いました。優しい音色に参加者は心地よさそうに耳を傾けていました。当日は、アロマセラピーの資格をもつ看護ボランティアがハンドマッサージも実施。このように、カフェでは患者さんも家族もリラックスをして穏やかな時間を過ごします。
鳥取県は全国的にもがんによる死亡率が高く、行政はがん対策推進計画を推し進めています。本会ではカフェが、がん患者さんや家族、医療者、地域の人々が互いに触れ合うことで心の負担を軽くし、がんへの理解を深める場になることを目指しています。
看護職は、医療機関の患者さんだけでなく、地域住民の健康を支えるためにできることを考え、その役割を果たしていかなければならないと、私は思っています。本会は2018年に創立70周年を迎えました。そのスローガンとして掲げたのが「生きるを、ともに、つくる。」。これからも地域全体に目を向けて、看護職が自らの力を信じその役割を果たしていける環境を整えていきたいと思います。
会員数/4254名(2018年12月1日現在)
住所/鳥取県鳥取市江津318-1
http://www.tottori-kangokyokai.or.jp/
鳥取県看護協会

本記事はニプロ株式会社発行の看護情報誌「ティアラ」2019年8月号 TiaraNo.123より転載しています。