
紹介します! 全国都道府県看護協会をぐるっと巡る

取材:寺口惠子さん<千葉県看護協会 会長>
これまで看護職がやりがいをもって働き続けられる職場づくりに取り組んできました。今は本会会長としてより広い視野に立ち、県内の看護職が長くその専門性を活用できる環境を整備していきたいと思っています。
アドバイザーを活用した看護職の再就業支援
千葉県では、地域や施設による看護職の偏在が顕著で、県全体としても看護職が不足しているのが現状です。特に、日常的に医療が求められる高齢化率の高い地域ではその傾向が強くなっています。
この問題の解消を目指し、千葉県看護協会では看護職の再就業支援に力を入れています。本会が、行政や医師会をはじめとする関係団体等に協力を得ながら運営している千葉県ナースセンターで、さまざまな施策を展開しています。
それら施策において中心的役割を担っているのが「就業相談推進アドバイザー(以下、アドバイザー)」です。現在5名を配置しており、全員が看護部長経験者。臨床現場で重ねてきた豊富な経験を支援に生かしています。

再就業相談

看護基礎技術講習会など、アドバイザーはさまざまな取り組みで活躍
本会では、潜在看護職の掘り起こし、および求人施設と求職者のマッチングに重点的に取り組んでおり、その場面でもアドバイザーが大きな力になっています。アドバイザーは、ナースセンター主催の再就業相談にも対応するほか、県内5カ所のハローワークと連携し、月に1〜2回看護職専門の相談窓口を設け、求職者の相談に乗っています。その一方で、アドバイザーは求人施設にも足を運び、施設管理者等と話をして、求人申込書だけではわからない情報を収集して求職者へ提供。時には、個々の求職者の希望に応じられるかどうかも確認して、その後の就業に結びつけています。
また、12の地区部会と協力し、年に2地区で合同就職説明会も開催しています。求人施設と求職者が会して自らマッチングをはかるもので、2017年度には参加者の半数が就業に結びつきました。
現場を離れていた看護職が不安を感じることの多い技術面については、看護基礎技術講習会を実施。アドバイザーが講師となり、毎週木曜日に採血・注射法、第4火曜日には吸引法の講義・演習を行っています。
本会の再就業支援は、アドバイザーを配置したことで、個々の求職者に対するより細やかな支援が可能になりました。求職者はナースセンターに登録することで、就業後も支援が受けられます。看護職一人ひとりがキャリアを生かし、それを上手に積み上げて行けるよう支援できればと考えています。
地域医療の要となる医療安全の施策も展開
本会では、職種や施設の垣根を越えた「医療安全大会」を主催しています。以前は看護職のみで行っていましたが、一人で問題を抱えがちな医療安全担当者同士が交流する場にできればと、現在は多職種が参加できる交流会として開催しています。
また医療安全担当者地区交流会として、Team STEPPS(チームステップス)*を学ぶ講習も実施。県内2地区を対象に、1年目は基礎編、2年目は応用編を学んでおり、毎年開催地区を広げています。これらの取り組みを、地域の医療体制を整える重要な活動として位置づけています。
地域医療の充実のためには、看護職の力は欠かせません。そのためにも、看護職が安心して働き続けることのできる環境づくりが重要です。せっかく自ら選択して身につけた専門職としてのスキルですから、みんながそれを活用して、自分らしい働き方ができるよう支えていくのが、本会の役割なのだと思っています。
*医療のパフォーマンスと患者安全を高めるためにチームで取り組む戦略と方法のこと。米国で作成された

医療安全大会

医療安全担当者地区交流会など医療安全にかかわる取り組みも実施。地域医療を支えるうえで重要となっている
千葉県看護協会
会員数/27,293名(2019年7月31日現在)
住所/千葉県千葉市美浜区新港249-4
https://www.cna.or.jp/index.html

本記事はニプロ株式会社発行の看護情報誌「ティアラ」2019年10月号 TiaraNo.124より転載しています。