
紹介します! 全国都道府県看護協会をぐるっと巡る

取材:山元恵子さん<東京都看護協会 会長>
COMENT:自ら選んで看護師になったのですから、今が一番楽しいと思えるようになってほしいですね。そのためには、自分の力を信じることが大切。できないことを悩むのではなく、どうすればできるようになるかを考えて。
看護職の交流と成長の場所として新会館がオープン
東京都看護協会は、2019年4月に新たな拠点となる新会館を新宿区西新宿にオープンさせました。人々に癒しを与える「こもれび」を基本イメージに建物をデザインし、会員はじめ多くの人が足を運びたくなる会館をつくりました。
地下1階、地上6階の7フロアで構成される館内には、約400名収容可能な大研修室と4つの中研修室があり、本会主催の総会や研修、そのほかの学会や会議に対応できる設備を備えています。館内は、1本の木の成長をイメージして設けた2〜4階にわたる吹き抜けが中心になっており、開かれた空間の中で自由に過ごせる場所を設けました。図書室は、壁のないオープンな空間の中でゆったりと閲覧できるスペースを作りました。司書を増員して、月〜金曜、第2・4土曜に利用できるようにしています。そのほか、同じフロアには本格的なキッチン設備もあり、将来的にはラウンジを含めて子ども食堂や栄養指導など地域に貢献できる使い方も考えています。
会館内には、東京都ナースプラザやナースバンクのほか、東京都助産師会、東京都訪問看護ステーション協会も入居しています。今後は「看護の知の拠点」として、ネットワークをさらに強く太くしていくことを目指します。
交通の便がよい新宿という立地もあり、今まで以上に多くの会員が会館に足を運んでくださるようになりました。人々が集い交流して、「感じる力」「共感する力」「看る力」を磨き、時には切磋琢磨し、時には癒されて、明日のための力をチャージしてそれぞれのもとに戻っていく──そんな自由で活力のある会館にすることが建設に際しての目標でした。

大会議室はスペースを区切って2つの研修室としても利用できる

吹き抜けの周囲にはくつろげるスペースが
社会の国際化と地域包括ケアを視野に入れた取り組みを展開
また本会では、新組織として国際交流係を立ち上げました。2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開催されることもあり、外国人観光客も増え、さまざまな国の人の姿を目にするようになりました。係では、そういった外国人の医療ニーズに応えるため、英語、中国語、韓国語の外国語会話研修を実施しています。医療・看護は有望な輸出資源でもあります。看護職が今後海外で活躍する際必須スキルとなる外国語を研修科目に取り入れ、多方面への出張研修も開始しました。
一方で、地域にも目を向け地域包括ケア委員会もスタートさせています。都内23区および多摩11地区、島しょに1名ずつの計35名をメンバーとし、それぞれの地域の実情に即した取り組みを進めるための活動を始めました。また東京都からの委託事業として、看護職(病院・訪問・診療所)に加え社会福祉士や介護支援専門員など地域の介護関係者も対象とした入院時連携強化研修も実施しています。地域包括ケアシステムにおける切れ目のない医療・看護・介護の連携は、本会でも中心的な取り組みのひとつとしています。
これからの看護職は、地域での多職種連携におけるリーダーとしての役割、そして日本の優れた看護力を世界に発信する役割と、幅広い活躍が求められます。看護職の皆さんが自信をもって自分の力を発揮できるよう、さまざまな職能団体や企業とコラボレーションしながら、日本一の看護協会を目指していきます。どうぞご期待ください。

明るく開放的な図書室。リラックスしながら読書できるシートや資料を検索できるパソコンも設置

各階のテラスからは新宿の街並みが見渡せる。東京都庁の近さがわかる
東京都看護協会
会員数/49,133名(2019年3月31日現在)
住所/東京都新宿区西新宿4-2-19
https://www.tna.or.jp/

本記事はニプロ株式会社発行の看護情報誌「ティアラ」2020年2月号 TiaraNo.126より転載しています。