
紹介します! 全国都道府県看護協会をぐるっと巡る

取材:小藤幹恵さん<石川県看護協会 会長>
COMENT:看護職の皆さんには、自分自身がもっている力を過小評価せず、ポジティブに進んでほしいと思います。普段やっていることがコロナ禍でも生きてくる。知恵を出し合い、切磋琢磨して看護を作り上げてください。
これまでとは異なる「看取り」その実際を意見交換会で共有
2019年に初めて確認されて以来、世界を席巻する新型コロナウイルス感染症。石川県でも累計2520名の感染者が確認され(2021年5月1日現在)、防護服での処置・看護、多様化する業務など、専門病床を有する医療機関で働く看護職の大変な様子が報告されています。そのようななか、見過ごされがちなのが「看取り」です。新型コロナウイルス感染症によるわが国の死亡率は約1.7%(2021年5月1日現在)と世界との比較では少ないとされますが、残念ながら亡くなる方はおり、これまでとはまったく異なる環境下での看取りが行われています。そして、その多くの処置・対応を担う看護職は、互いに顔を見ることもなく家族との別れを迎える患者さんの気持ちや尊厳について「これでいいのだろうか」という思いを抱えざるを得ません。
石川県看護協会では、このような現状を踏まえ、「新型コロナウイルス感染症の対応に係る意見交換会」を実施することにしました。その第1弾として、 2020年12月19日に行ったのが「コロナ禍の尊厳ある看取りまでの看護」です。コロナ専門病棟で実際に看取りを体験した看護職6名による発表が行われ、何を考えどのように取り組んだか、その現状を共有しました。さまざまな課題もみえてきましたが、それらは看護のみで解決できることではありません。しかし、思うような看取りができず苦しんでいる看護職たちが自らの方向性を見出す機会をもてたことには意義があったと思います。さらに、どのような状況下でも最善の看護をするために何ができるかを考えるきっかけにもなりました。


「新型コロナウイルス感染症の対応に係る意見交換会」は、第1弾・第2弾ともコロナ禍の現状や看護職の思いに触れる貴重な機会となった
看護職が助け合いながら経験を重ねることで学んでいく
2021年2月27日には意見交換会の第2弾として「クラスター発生施設における看護支援」を開催しました。コロナ禍で奮闘してくれた看護職の活動から学ぼうというもので、石川県内で5月、北海道で12月にクラスターが発生した施設に応援に行った看護職5名がその実践を話しました。受け入れ側も支援する側もスタッフは限られており、厳しい状況のなかでの看護でしたが、どのように助け合い、どのようなやり方で支援を行ったかを知ることができました。そして会の最後には、本会から発表者に対して感謝状を送りました。
ほかにも、本会ではさまざまな新型コロナウイルス感染症への対応を行っています。石川県からの委託により実施している軽症者宿泊療養施設への看護職の派遣・管理もその一つ。開設に際し人員確保や準備には苦労もありましたが、体制を整備し、稼働中も経験や実績をフィードバックすることで、円滑な運営に結びつけていきました(開設期間:4月16日〜6月3日、8月11日〜開設中)。施設には看護職2名が24時間常駐。入所者に安心して療養してもらうために、モバイルツールや新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)を活用したり、刻々と変化する状況に応じたシミュレーション研修を随時行うなどしています。取り組みの内容は、今後に役立つ貴重な資料として書籍としてまとめました。*
前例のない状況のなか、本会では今後も、看護職を守りながら、看護の力を最大限に発揮し、社会に貢献することを見据えていきたいと考えています。
*「看護みがき」のコーナー参照


軽症者宿泊療養施設への看護職の派遣等に際しては、PPE(個人防護具)の着脱訓練を行った
公益社団法人 石川県看護協会
会員数/9686名(2018年度)
住所/石川県金沢市兼六元町3-69
http://www.nr-kr.or.jp/

本記事はニプロ株式会社発行の看護情報誌「ティアラ」2021年6月号 TiaraNo.131より転載しています。