
自分なりに看護に向き合い頑張っている人を紹介します!

取材:島村麻実さん<防衛医科大学校病院手術室副看護師長 手術看護認定看護師/医療安全管理者>
PLOFILE:しまむら・まみ さん
2000年防衛医科大学校病院高等看護学院卒業。同年4月同院入職、手術室勤務。
さまざまな外科や内科の病棟、医療安全推進室を経て、2017年現職。左記資格以外に、日本手術看護学会認定手術看護実践指導者、日本麻酔科学会認定周術期管理チーム看護師などを取得
患者さんの思いを守ることも「安心」につながる
手術看護認定看護師の資格を取得する1つのきっかけになったのが、母の緊急手術でした。それまで10年以上手術看護とかかわってきた自分でさえ、患者家族になるとこんなに不安になるんだということに驚き、患者さんや家族に対する手術看護を見直してみたくなったのです。それ以降、私にとっての手術看護におけるテーマは、患者さんや家族にとっての「安心」。もちろん、医師やスタッフがスムーズに安心して手術に取り組めるよう、よりよい看護を提供したうえで、患者さんが「安心」して手術に臨めるようにすることに目を向けていきたいと考えています。
その1つが患者さんの代弁者としての役割です。例えば、乳がんの手術中に、医師が念のためにと予定より大きく乳房を切除しようとしたとします。しかし、患者さんの希望は「なるべく乳房を温存したい」。そんなとき、麻酔で眠っている患者さんの思いを医師に伝えられるのは看護師しかいないのです。患者さんの生命を守るだけでなく、患者さんのこれからの人生にも目を向け、患者さんの思いを守ること──それが手術を受ける患者さんの「安心」につながるのだと思います。
しかし、残念ながら手術室看護師が患者さんと向き合う時間はごく限られています。そのため、私は術前訪問を重視しています。その間に患者さんの思いをくみ取り、信頼関係を築くことは重要な看護なのです。私の場合、「あなたの味方ですよ」という思いで患者さんに接し、面会の最後に必ず「一緒に頑張りましょうね。よろしくお願いします」と声をかけ、握手をするようにしています。訪問時間は15分足らずですが、患者さんは安心されるようで、手術当日には「よろしくね」「頑張るよ」と笑顔をみせてくれることが多いですね。

術前説明は患者さんとの信頼を築く数少ないチャンス
より必要となる術前患者さんのフォローの場を増やしたい
地域包括ケアシステムの構築が進められるなか、手術は外来で決定され、患者さんは術直前に入院することになります。理解が不十分だったり、不安を抱えたまま手術を迎える患者さんは少なくないでしょう。そこで私が考えているのは、近年みられ始めた「術前外来」の開設です。
現在でも、麻酔科外来でハイリスク患者さんに対する術前指導は行っていますが、もっと多くの患者さんを外来でフォローしたいと思っています。そしてゆくゆくは、手術予定の患者さんに限らず、だれでも手術についての相談ができる看護専門外来をもてたらいいなと考えています。
イラストレーション:イラストAC
本記事はニプロ株式会社発行の看護情報誌「ティアラ」2018年10月号 TiaraNo.118より転載しています。