
大阪府内に止まらずに向けてもさまざまな事業を実施している大阪府看護協会。多くの取り組みがある 、全国なか、今注目したい取り組みの現場をリポートします。
1 医療現場の国際化に対応できる「日本国際看護師」を養成|労働環境支援事業部
日本国内でも対外国人への医療サービスの需要が増加しています。これに対応できるスペシャリストの育成が急務と考えた本会では、 2018年度から日本国際看護師養成研修を新たに開講しました。研修は、外国人にわかりやすい日本語コミュニケーションや、宗教・社会背景など多文化への理解を中心に作成したカリキュラムのもと年2回実施。受講者は周産期・救急・在宅に携わる看護職が多く、2020年度までにのべ106名の修了生が誕生します(予定者含む)。国際臨床医学会の認定資格取得も可能です。日本国際看護師が役割を果たすことで、外国人の方々に不安なく医療を受けてもらえるだけでなく、海外に日本の看護の質の高さを知ってもらうことにつながります。今後はその活躍の場を構築・拡充していくことを目指しています。

写真左から、事業を担当する松尾慎子さん、板東由美さん、梶山直美さん(現地域包括ケア事業部)


(写真上・下)日本国際看護師養成研修の様子
2 新たな脅威に立ち向かうため看護の力を生かしたい|コロナ対策本部
コロナ対策本部では、主に新型コロナウイルス感染症軽症者等を受け入れる宿泊療養施設とPCR検査の窓口となる検体採取外来への看護職の派遣と配置を行っています。いずれも大阪府からの委託事業で、派遣看護職は本会と雇用契約を結んでおり、看護職の安心・安全とケアの質の保証を図っています。宿泊療養施設は2021年1月19日現在9ホテルで、1施設あたり5名の看護職が日当直体制で24時間対応、4カ所の検体採取外来では1日4 〜 8時間体制で対応しています。これらの看護職に対しては、事前研修に加えて、SNSを活用した最新情報の発信や臨床心理士の資格をもつ看護師によるメンタルケアなど継続的にフォローを行っています。これらのサポ ートが流動的な状況下での人員確保を実現しています。

写真上左から、対策本部の田中典子さん、千葉鐘子専務、小野惠美子常務、梶山直美さん

毎週金曜のオンライン会議

事前研修の様子
3 「特定行為研修」を通し看護の質向上を進めていく|教育研修部
本会は医療施設をもたない組織としては、いち早く2018年より特定行為研修を実施しました。看護職にさらなる実践力をつけることで、臨床および地域での看護の質を高めたいと考えたためです。特定行為研修には医師の協力が欠かせないことから、大阪府医師会、大阪府病院協会、大阪府私立病院協会の協力を得て運営委員会を設置。研修のバックアップ体制も整えました。研修は、受講生の利便性を考慮し、 2020年度には、演習と臨地実習を除き共通科目・区分別科目ともすべてをeラーニングとしました。各施設や地域において指導的役割の大きい認定看護師と専門看護師を対象として、2020年度までにのべ126名が修了します(予定者含む)。特定行為研修を受講することが、各施設で核となる指導者の育成につながることに期待しています。

写真左から、事業を担当する中垣郁代さん、藤井照代さん

特定行為研修(演習)の受講風景
iMEPで実習・演習を実施
大阪府看護協会による特定行為研修の実習・演習は、医療研修施設 ニプロiMEP(滋賀県草津市)で行われています。2020年10月17日に行われた研修は区分別科目である「呼吸器(長期呼吸療法)気管カニューレ交換の手技」「呼吸器(気道)経口用気管チューブまたは経鼻用気管チューブの位置の調整」「栄養に係るカテーテル管理」の3演習。シミュレータを使用し手技を確認・修得するもので、受講生は、医師の指導のもと、不明点を解消し、実践のコツを着実に身につけていました。

医師により実践的な指導が行われる

演習には高機能のシミュレータを使用
COLUMN|看護職の声を届けて「ものづくり」につなげる
本会は、大阪市・うめきた 2 期みどりとイノベーションの融合拠点形成推進協議会の「看護工学課題(ニーズ)発表会」をきっかけに、看護職の声が企業の製品の創出に結びつくことを実感しました。これからも看護職の「あったらいいな」の実現と、看護の課題解消につながる発信をしていけたらと考えています。

写真左から、ものづくりに携わる泉恵子さん、小林勝さん、杉本まゆみさん

製品になった妊婦用弾性ストッキング
取材協力:大阪府看護協会
大阪府大阪市中央区城見 2-2-22
http://www.osaka-kangokyokai.or.jp
本記事はニプロ株式会社発行の看護情報誌「ティアラ」2021年3月号 Tiaraティアラ別冊「キラリ」より転載しています。