
2023年12月17日、「第6回 iMEP CUP ナーシングオリエンテーリング」が行われました。これは、リアルなシミュレーションや日頃の看護技術・知識を試す課題などにより、チームごとに看護実践能力を競う医療研修施設ニプロiMEP(滋賀県草津市)の恒例企画。2015年から始まり、コロナ禍でのオンライン開催(3回)を含めると今回で9回目の開催です。4年ぶりの対面での実施となった会場は熱気にあふれていました。そんな競技会の様子と参加チームの奮闘ぶりをご紹介します。

「第6回 iMEP CUP ナーシングオリエンテーリング」に参加したのは、1チームあたり4〜5人の看護師で編成された8チーム。プランナー、ファシリテーターによる洗練されたコース設計に基づく9つのチャレンジポイント(以下、ポイント)では、さまざまな看護実践で生じがちな課題が提示され、オリエンテーリング方式で巡りながら攻略していきます。各ポイントは、医療研修施設ニプロiMEP内の施設をフル活用して配置。あえて案内表示を掲示せず、次のポイントに移る際に与えられた指示と館内図をもとに、的確に移動することも競技に含まれます。
競技は、オリエンテーションを経て9時50分からスタート。参加チームは一斉に指示されたポイントに向かいました。第6回の各ポイントのテーマは「緊急搬送」「最適な環境」「みて・きいて・感じて・信じて」「医療安全」「ファーストエイド」「患者家族との面談」「看護職の基本的スキルとリテラシー」「CPR」「患者の尊厳と健康を守る」の9つ。シミュレーションを中心に、筆記や実技などさまざまな対応が要求されます。ポイントに足を踏み入れた参加者は、当日その場で知らされたテーマの内容と何が求められているかをいち早く理解し、課題の解決に向けて対応しなければなりません。理解力、観察力、想像力、応用力、実践力などが試されることになります。
イベント中の事故現場での救急搬送、患者さんや家族からのクレームへの対応、限られた情報からの患者アセスメント、緊急停電のなかでの初期対応、訪問看護先でのトラブル対応など、ポイントごとに繰り広げられるシミュレーションは臨場感たっぷり。シチュエーションに合わせて演じ場面づくりをしている運営スタッフ側に手加減はありません。参加者たちは、チームで声をかけ合い、協力しながら、必死で課題に取り組んでいました。
午前から午後にかけて計5時間20分にわたる競技は16時前に終了しました。ホールに集合した参加者たちは、さまざまな思いを抱えながらも一様に高揚した表情をみせていました。
そしていよいよ表彰式です。第6回の優勝は「チームやった根!リベンジャーズ」(大阪府大阪市)、準優勝は「KMC ARE」(京都府京都市)、3位は「Five bridges」(山口県岩国市)となりました。順位が発表されるたびに会場は大きな拍手に包まれました。
表彰式後、参加者たちはあらためてチームメンバー同士健闘を称え合っていました。なかには、次回でのリベンジを誓うチームも。楽しみながら課題をクリアするなかで、看護チームとしての連携を深め、総合的な看護実践能力を高めるという競技会のねらいは、参加者に確実に伝わっているようでした。
プランナー&ファシリテーターから

[プランナー]三上剛人さん(写真左)
吉田学園医療歯科専門学校副校長
時代とともに多様化する看護への要求を考慮して毎回テーマ設定を行っています。今回も幅広いテーマを取り入れて、参加者には今まで以上にトータルなパフォーマンスが求められる内容にしました。おそらく皆さん成功も失敗も体験したと思いますが、そこから何かを学び取ってくれていることを信じています。
[ファシリテーター]苑田裕樹さん(写真右)
令和健康科学大学臨床シミュレーションセンター
競技を通して日頃行っている看護の根拠に気づかされ、課題を感じたという参加者は少なくありません。参加者が「悔しい」と思ってくれたら成功。そういう思いが今後の看護をよい方向に変えるきっかけになることに期待しているからです。皆さんと一緒に体験を重ねることは、企画する私たちにとっても貴重な学びの機会になっています。



















本記事はニプロ株式会社発行の看護情報誌「ティアラ」2024年6月号 TiaraNo.149より転載しています。
