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荒井有美

北里大学病院 医療の質・安全推進室 医療安全管理者 看護師・薬剤師

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患者さんからの暴力・暴言を見かけたことがある人もいるのではないでしょうか。今回は、モンスターペイシェントについて解説します。


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モンスターペイシェントが生まれた背景

モンスターペイシェントは、いわゆるモンスターペアレントの患者(および患者の家族)版です。しかも、保護者と比べると、患者という弱者の立場であるだけに、その対応・対策に悩む医療者は多いことでしょう。

このような「モンスター○○」が現れた背景には、1990年代以降の社会情勢がかかわっていると思われます。競争激化や自由化、規制緩和などにより、これまで確実であると考えられてきたものが崩壊し、人々に「不安の時代」が訪れたのです。

中でもより深刻だったのは、終身雇用制が揺らいだことでした。社会に放り出された人々は自己主張しなければ、自分の身が守れないと考えるようになりました。それが極端な方向に走ったとき、「モンスター」と言われる人々が生まれたのです。

彼らの自己主張はとにかく、大声で萎縮させたり、相手をへこませたりして、勝つこと(表面上であったとしても)でした。しかし、ディベートなどに見る本来の自己主張は、自分の考えを述べる一方で、相手や周囲の意見との違いもきちんと容認するもの。当時テレビなどで、はき違えた自己主張が蔓延したことも、モンスター誕生の要因となっているかもしれません。

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