「酸素素は5L、マスクで流して」「吸入酸素濃度は50%」「血液ガスの酸素分圧100mmHg」--。
酸素という同じ気体を表すのに、「L」「%」「mmHg」といった、さまざまな単位が用いられます。日常業務で医師の指示に従うだけなら、単位なんてオマケみたいなものかもしれません。
しかし、実はこの単位を理解していないせいで、時に臨床において重大な勘違いを起こしてしまうことがあります。今回はこの「単位」を切り口にして、呼吸管理を中心とした臨床の理解を深めましょう。
▼酸素療法についてまとめて読むならコチラ
酸素療法とは?種類・目的・適応・看護
臨床でよく行われる治療ー酸素投与
呼吸は生命にとって不可欠な機能であり、呼吸不全は同時に生命の危険を意味します。
肺疾患を基礎に有する場合のみでなく、敗血症や外傷などの重症疾患に伴って急性に起こるもの(急性呼吸窮迫症候群:ARDS)もしばしば問題となり、緊急の治療を要する事態が少なくありません。その呼吸不全の治療の基本となるものが、言うまでもなく「酸素投与」です。
酸素供給設備・技術の進歩によって、酸素投与は非常に手軽に行える治療のひとつとして浸透していますが、その一方で、基本的なことを理解しないまま治療現場に接しているという不安を抱える看護師さんも多いのではないでしょうか。
今回は、単純な具体例を通して、酸素を投与した患者さんにどんなことが起こるのか、追いかけていくことにしましょう。

「流している酸素」と「吸っている酸素」は違う
それでは早速、患者さんに酸素を投与してみることにします。具体例として、単純顔マスクで毎分6Lの酸素を流した場合を考えましょう。
まず意識してほしいことは、「どれだけ流している(供給している)か」と「どんなものを吸っているか」は全く異なる、ということです。患者さんは毎分6Lの酸素を全て吸っているわけではなく、周囲の大気も吸い込んでいます。
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