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看護師 ライター 診療看護師(NP)

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Slow VTとは

Slow VTとは、典型的な心室頻拍(VT)よりも心拍数が遅い不整脈のことで、見た目だけでは「いつもの波形」と区別しにくいことがあります。

ここで押さえておきたいのは、モニター心電図は機種ごとのアルゴリズムに基づいてアラームを鳴らしているということです。「QRSの幅が広い」「同じような波形が連続している」「一定以上の心拍数で続いている」などの条件に当てはまると、モニターは致死的な不整脈の可能性があると判断してアラームを鳴らします。

「いつもの波形」なのにアラームが鳴る理由

では、いつもの波形と変わらないのにアラームが鳴るのはなぜでしょうか。理由として、もともとQRS幅が広い患者さんであることが考えられます。

例えば、右脚ブロックや左脚ブロックがみられる患者さん、ペースメーカーで心室ペーシングを行っている患者さんでは、普段からQRS幅が広く見えます。しかし、モニターがその波形を認識していなかったり、電極の位置が少しズレて波形の見え方が変わったりすると、患者さんには何も変化が生じていなくても、幅の広いQRS波やペーシング波形をVT様波形としてモニターが認識してしまうことがあります。

つまり、患者さんの状態や心拍数に変化がないため、看護師には「いつものような波形」に見えても、モニターは「VTのような波形だが頻脈ではない」と認識し、「Slow VT」のアラームを作動させたということです。

ほかに、頻発するPVC(心室性二段脈など)、体動による筋電図の混入(悪寒戦慄、震え、リハビリテーション、吸引、清拭、体位変換など)、電極の接触不良(電極の浮き、コードの引っ張り、発汗など)によるアーチファクト(心臓由来ではないノイズ)によってVTのアラームが鳴ることもありますが、これらが原因であれば波形は大きく乱れるため、看護師が見ても「いつもの波形と違う」と区別がつくでしょう。

したがって、「いつもの波形と変わらないのにアラームが鳴る」という場合は、患者さんのもともとの波形をモニターがVTと誤判定している可能性が高いと考えられます。

アラームが鳴った場合の観察ポイント

患者さんの状態、症状の観察

モニターのアラームが鳴ったら、まずはベッドサイドに行き、患者さんの状態を直接確認することが重要です。

声をかけて反応を確かめ、顔色や呼吸、意識レベルに変化がみられないか観察します。また、脈があるか確認するとともに、冷汗、胸痛、動悸、呼吸困難、めまいの有無を確かめ、体温や血圧などのバイタルサインも測定して循環が保たれているかを評価します。

なお、脈があるか確認する際は、モニターに表示される心拍数と、橈骨動脈あるいは頸動脈で触知できる脈拍数が一致しているかを確かめます。心拍数と脈拍数が大きく乖離している場合、心臓が脈拍を触知する部分まで有効に血液を送り出せておらず、循環動態に影響が出ている可能性があります。

動脈圧波形の確認(動脈ラインが留置されている場合)

動脈ライン(Aライン)が留置されている場合は、心電図波形とあわせて動脈圧波形が保たれているかも確認します。心電図波形の変化と同時に動脈圧が低下していれば、真の不整脈かどうかを判断する重要な情報となります。

医師への報告のタイミングと対応のポイント

脚ブロック波形やペーシング波形など、患者さんのもともとの心電図波形である場合は経過観察が可能です。一方、真の不整脈で、以下のような状況がみられる場合は、速やかに医師へ報告するとともにチームでも情報を共有します。

  • 不整脈が繰り返し生じる場合、または長期に持続する場合
  • 胸部症状(胸痛、胸部不快感、圧迫感、動悸、息苦しさなど)、めまい、悪心などの自 覚症状を伴う場合
  • 血圧低下や循環動態の変化がみられる場合

継続的なモニタリングを行いながら、必要に応じて、12誘導心電図の測定、酸素投与、静脈路の確保、薬剤投与、救急カートや除細動器の準備を進めましょう。

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