脱水は、バイタルサインだけでなく総合的に評価する!のサムネイル画像
執筆
Pのプロフィール画像

P

看護師 ライター 診療看護師(NP)

執筆者の記事一覧

問題の解説

 脱水は病棟でよく見られる問題です。高齢者の脱水はさまざまな要因が絡んで生じ、そのリスクも高くなります。高齢者は加齢に伴い筋肉量が減少して水分を貯蔵する機能が衰えるため脱水が生じやすくなります。また、筋肉量が減少することは細胞の数が減少することにも繋がり、細胞内液は減少します。その結果、やはり身体の水分量が減るため脱水が起こりやすくなります。以上により、回答は 2.筋肉量の減少と3.細胞内液量の減少になると考えられます。

 一方で、4.渇中枢の感受性の亢進はそもそも加齢に伴う身体機能の変化として、むしろ感受性は低下するため選択肢として間違いと言えますし、5.抗利尿ホルモンの反応性の亢進に関しても同様と考えられ、選択肢から除外することはできます。高齢者は渇中枢の感受性が低下するから喉の渇きを自覚しにくくなり、飲水量が減少して脱水になりやすくなると考えられます。また、抗利尿ホルモンの反応性が低下するため身体の水分が減少しても尿は出ていってしまうため脱水になりやすくなると考えられます。

 1.骨量の減少に関しては、解剖生理を細かく勉強している人からすると回答に選ぶ可能性はあるかもしれません。というのも、加齢に伴い骨量は減少していきますし、骨の中にも細胞内液や細胞外液として水分が存在するため、骨量が減少すれば身体の水分も減少するため脱水になりやすいのではないかと考える人がいるかもしれません。ただ、脱水に関して直接的な要因とは考えにくいですし、他の選択肢のほうが直接的な要因になり得るため、今回の場合は正解の回答にはならないでしょう。

高齢患者さんの脱水リスクの知識のおさらい

 一般病棟では、脱水は日常的に遭遇する問題の一つであり、特に高齢の患者さんにおいては注意が必要です。看護師は脱水リスクを適切に評価し、脱水が生じていないか継続的な観察と早期の対応が求められます。

 高齢者は加齢による筋肉量の減少に伴い、体内の水分保持能力が低下します。入院中の高齢患者さんでは、活動量の低下や長期間のベッド上安静によって筋肉が減少し、脱水のリスクが増すと考えられます。そのため、リハビリテーションを積極的に行うことや、適切な栄養管理を行うこと大切です。また、高齢患者さん自身が喉の渇きを感じにくくなり、水分摂取が不足する場合がありますので注意深く観察する必要があります。看護師は、バイタルサインの変化だけでなく、尿量の減少、皮膚の乾燥、日々の食事や飲水の摂取量などを定期的に評価していくことが重要です。

 経口摂取が可能な場合は、適宜飲水を促したり、食事を摂取してもらうことで水分を摂取することができますが、一方で自力での水分摂取が難しい患者さんは、点滴や経管栄養が検討されます。心不全や腎不全などの患者さんの背景を踏まえて、適切な対応が求められます。

 このように、高齢患者さんの脱水は、加齢に伴う身体の変化によって見られやすいため、看護師が日常的に観察し、適切な介入を行なっていくことが重要です。患者さんのADLや状態に合わせた水分摂取方法を検討したり、筋肉量の低下や細胞内液の減少といった要因も考慮しながら、脱水に対するケアを行うことが求められます。

ポイント

\ この記事をシェアする /