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山﨑博貴

看護師

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うつ病患者さんの服薬管理に関する看護計画

 うつ病の治療では、抗うつ薬を中心とした薬物療法が行われます。抗うつ薬には、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)などが用いられています。薬物療法は抑うつ症状の改善や再発予防に重要な役割を果たします。しかし、抗うつ薬は十分な効果が得られるまでに一定の期間を要するため、服薬開始直後には十分な効果を実感できないことがあります。

表1 抗うつ薬

グループ名一般名販売名の例
三環系第一世代イミプラミントフラニール
クロミプラミンアナフラニール
アミトリプチリントリプタノール
ノルトリプチリンノリトレン
トリミプラミンスルモンチール
四環系マプロチリンマプロチリン
ミアンセリンテトラミド
セチプリンテシプール
その他トラゾドンレスリン
スルピリドドグマチール
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)フルボキサミンルボックス、デプロメール
パロキセチンパキシル
セルトラリンジェイゾロフト
エスシタロプラムレクサプロ
SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)ミルナシプラントレドミン
デュロキセチンサインバルタ
ベンラファキシンイフェクサーSR
NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)ミルタザピンレメロン、リフレックス
S-RIM(セロトニン再取り込み阻害作用ならびにセロトニン受容体調節作用薬)ボルチオキセチントリンテリックス

大坪天平:抗うつ薬を使いこなす.女性心身医学 2022;27(2):154-8より引用・一部改変

 また、眠気や悪心、口渇、便秘などの副作用に加え、「薬に頼りたくない」「本当に必要なのかわからない」という思いから、自己判断で服薬を中断してしまう患者さんも少なくありません。さらに、うつ病に伴う意欲低下や集中力低下、記憶力低下などによって服薬管理が困難になることもあります。

 症状が改善した後も再発予防のために服薬継続が必要となる場合がありますが、「症状が良くなったから治った」と考えて自己判断で服薬を中断してしまう患者さんもいます。一方で、希死念慮がみられる患者さんでは、薬剤の自己管理方法について慎重な検討が必要となる場合があります。

 そのため、患者さんが服薬の必要性を理解し、継続して治療に取り組めるよう支援することが重要です。今回は、うつ病患者さんの服薬管理に関する看護計画を立案しました。

*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。

看護問題

抑うつ症状や服薬管理を妨げる要因により、適切な服薬管理が困難な状態である

看護目標

服薬の必要性を理解し、適切な服薬管理を継続することができる

観察計画 O-P

抑うつ症状や希死念慮の程度
睡眠状況や生活リズムの状況
病識の有無
薬物療法に対する理解や認識
服薬状況(飲み忘れ、服薬時間、服薬方法、管理方法など)
自己中断や服薬拒否の有無とその理由
副作用の有無と程度
服薬管理を妨げる環境的要因の有無
家族や支援者による服薬支援状況

援助計画 T-P

服薬に対する不安や疑問、思いを表出できるよう傾聴する
服薬中断や服薬拒否を含め、服薬管理が困難となる要因を把握し、個別的な支援を行う
患者さんの自己管理能力に応じた服薬管理方法を検討する
必要に応じて服薬カレンダーや服薬管理ケースなどの活用を支援する
生活リズムを整え、服薬を継続しやすい環境を支援する
服薬と症状の変化を振り返り、薬物療法の効果を実感できるよう支援する
副作用や服薬継続状況を医師や薬剤師へ報告し、必要時は薬剤調整につなげる
希死念慮がある場合は薬剤管理方法について検討する
必要に応じて多職種、家族、支援者と連携し、服薬支援体制の調整や地域支援サービスを利用できるよう支援する

教育計画 E-P

うつ病における薬物療法の目的について説明する
抗うつ薬は効果が現れるまで時間を要するため、服薬開始直後には効果を実感できない場合があることを説明する
症状が改善しても服薬継続が必要な場合があることを説明する
服薬中断は再発や症状悪化につながる可能性があるため、自己判断で服薬を中断しないことの重要性について説明する
規則正しい生活習慣と服薬継続の重要性について説明する
服薬管理方法や飲み忘れ時の対応について説明する
予測される副作用や対処方法について説明し、疑問や不安がある場合は自己判断せず相談するよう説明する
不調時や希死念慮が出現した際の相談方法について説明する
必要に応じて家族や支援者に服薬支援の方法について説明する
訪問看護や地域支援サービスなど利用可能な社会資源について説明する

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