ERASとは?
ERASはEnhanced Recovery After Surgeryの頭文字をとった用語であり、術後の患者さんの早期回復を促し、 周術期管理法の改善をめざす取り組みです。オリジナルのERASは北欧発祥で、結腸がんの手術症例に限ったものでした1)。
現在では、その概念や方法論といったものがさまざまな術式に拡大されてきており、術式ごとのERASが提唱されたり、あるいは病院ごとのERASが作成されたりしてきています。
つまり、“さまざまな術式において術後早期の退院が可能となることを意識して、エビデンスのある周術期管理法を取り入れていくこと”ということができます。
どの医療機関においても日頃から努力しているものであり、特に目新しいことを言っているわけではありませんが、注目したいのは、“エビデンスのある”という点です。
そのため、病院ごとの“お作法”のような処置や、“先輩の経験則”による周術期看護を漫然と継続することは厳に慎まなければなりません。エビデンスに基づいた周術期看護を導入するとともに、その結果を客観的に評価し、さらに改善・発展させていくことが最も大切です。
具体的にはなにをするの?
ERASにかかわる内容は多岐にわたり、担当部署も看護職のみではありません(図)。部署ごとに限定して考えるのではなく、術後早期の回復をめざして多職種で連携して周術期治療にあたることがERASを行ううえで重要です。ここでは特に、看護師にかかわりが深いポイントについて解説します。

図 ERASにかかわる内容
(1)術前オリエンテーション
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