
2016年6月11日~12日、第25回日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術集会が石川県金沢市で開催されました。12日には、ランチョンセミナー「脆弱な高齢者の皮膚を守る~スモールチェンジエアマットレスの有効性~」が行われ、現在の超高齢社会において看護師が知っておくべきこと、そして新しいケアの可能性が提示されました。
座長・真田弘美さんの「高齢者の増加とともにスキンテアの患者さんも増え、早急な対策が求められています」というコメントで本セミナーはスタートしました。スキンテアは、ポジショニング時に患者さんの手を持ったときや体位変換などで発生することが多いため、高齢者の脆弱な皮膚を守り、夜間の安眠を保つ方法として、小さい角度・傾きで体位変換を行うスモールチェンジが注目されています。
そこで今回は、皮膚科医師の上出良一さんが「皮膚老化のケア」と題し、高齢者の皮膚について解説を行い、続いてスモールチェンジ機能搭載のマットレスの開発にかかわった須釜淳子さんが「患者の安楽と褥瘡予防を考慮した体圧分散具の選び方、使い方」と題し、マットレスで摩擦とずれが予防できるのかを、臨床評価も含めて解説しました。
皮膚老化の要因
上出さんは、皮膚の老化の要因は、内因性(生理的)と外因性の2つに大きく分けられると説明します。前者は、活性酸素による損傷、DNA損傷、エピジェネティック変化、タンパク質や細胞膜の酸化、テロメア短縮などが原因となって、供給(細胞分裂)と消失(壊死・アポトーシス)のバランスが負へ傾くことで生じます。後者は光線(紫外線・赤外線)、温度、湿度、化学物質(大気汚染・タバコの煙など)による細胞の損傷で生じ、なかでも、紫外線による慢性皮膚障害である“光老化”が皮膚の脆弱化に大きな影響を及ぼします。
特に、紫外線にさらされる機会が多い顔や手などの露出部は、しみ、しわ、黄ばみ、たるみ、腫瘍(良性・悪性)が発生しやすくなります。これは、紫外線により皮膚のはりを保つ弾性線維(エラスチン)が破壊された後、無秩序に修復されるためです。この光老化が加齢による老化に加わることで、スキンテアのリスクも高まるといいます。
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