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看護師 ライター 診療看護師(NP)

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「いつもと違う」という事実の共有から始める

モニター心電図の波形に違和感を覚えても、「波形の名前もわからないし、うまく説明できる自信がない」と報告をためらってしまう人は多いかもしれません。しかし、異変を感じたときに重要なのは、波形から不整脈の名前を推測することではなく、「患者さんに循環動態の変化が起きている可能性に気づき、チームで情報を共有して対応すること」です。

うまく説明できなくてもかまいません。まずは「いつもと違う」という事実そのものを共有することから始めていきましょう。そこから「いつから、何が、どう違うのか」を分解し、わかる範囲で伝えていきます。

患者さんの状態や状況を直接確認する

波形に違和感を覚えた際にまず行うべきは、モニター画面の前で悩み続けることではなく、すぐにベッドサイドに向かい、患者さんの状態や状況を直接確認することです。心電図は「心臓の電気的活動」を示しているに過ぎず、「患者さんの循環動態」を表すものではないからです。確認する際は、①患者さんの症状・バイタルサイン→②波形→③電極→④アラーム履歴→⑤背景リスクの順番を意識しましょう。

緊急性を判断する

意識レベル、冷汗、胸部症状(胸痛、胸部不快感、圧迫感、動悸、息苦しさなど)、呼吸困難感、めまい、気分不快などの有無を観察するとともに、血圧、脈拍、SpO₂、呼吸数、尿量の推移を確かめ、循環動態をアセスメントします。動脈ラインが留置されている場合は、動脈圧波形もあわせて確認しましょう。

すぐに報告すべきなのは、上記のような症状や循環動態の変化を伴っている場合です。これらの異常を認めた際は、波形の名前がわからなくても直ちに医師へ報告し、チームで情報を共有します。仮に無症状であったとしても、新しく出現して持続する不整脈や心電図の変化があれば、報告・共有しておくことが重要です。

ノイズ(アーチファクト)を確認する

緊急性がないことを確認できたら、波形の変化が本当に心臓由来であるかを確かめます。体動、筋電図、発汗や体毛による電極の浮き、コードの引っ張り、体位変換、清拭、吸引、リハビリテーションなどによるノイズ(アーチファクト)でも波形が乱れ、いつもと違って見えることがあります。必要に応じて、電極の交換や皮膚の処理、誘導設定の再確認などを行い、再発を防ぎましょう。

「いつもと違う」を伝えやすくするポイント

「いつもと違う」を報告できる情報に変えるには、これまでの波形(勤務開始時や夜勤帯など)と比較してみるのがポイントです。「いつもより心拍数が高い」「規則的な波形だったのが不規則になった」「P波が見えにくくなった」「QRS幅が広く見える」「STが下がっているように見える」「PVCが増えている」といったように、普段と具体的に何が違うのかを整理すると伝えやすくなります。

報告する際はSBARを活用し、「いつから、何が、どのように変化し、患者さんにどのような影響(症状、バイタルサインの変化など)が出ているか」を伝えます。波形の名前が特定できなくても、どこがどう変化したのか、その変化がいつ頃から起きているのかを具体的に伝えられれば、次の判断や行動へとスムーズにつなげられます。

自信がないときほど、早めに相談することが患者さんの安全のために欠かせません。看護師の違和感は、急変を防ぐための重要な一歩になります

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